【S17使用構築】故人に捧ぐラティラティ構築【最高最終2213】
☆自己紹介と謝辞
S17お疲れ様でした。だい木冬と申しますので以後お見知りおきを。
前々期、前期とカバルドンから展開するラティハッサムを使っておりまして、今期はそれを軸としたラティラティ構築に挑戦してみました。
前期の最終レートが2108の122位ということで、今期の目標を2150の100位以内に設定してレートに潜っておりましたが、見事達成することができたどころか、なんと2200を達成してしまいました。多くの方々から助言や激励をいただきました。本当にありがとうございました。
また、直接関わりはありませんが、このカバラティハッサムの軸を考案してくださった某氏、それを数か月前ぼくに授けてくださったたかきおすさん、ボルトロスを快く貸してくださったうみうさぎっさん、カムラの実を恵んでくださったレンさん、本当にありがとうございました。
※この記事には「前期の○○」「前々期の△△」などという表現が含まれます。もちろんこの記事だけ読んでわかるように書くつもりではありますが、前期、前々期からの積み上げで今の構築が成り立っておりますので、よろしければ以下の記事も併せて読んでいただけると、もしかすると、よりわかりやすいかと思います。特に今回の構築は(結果的にではありますが)S16の構築をかなり真似した形です。
【S15使用構築】ごつごつっとラティハッサム【最高2093 最終2012】 - がるがぶびより、です!
(or)
【S16使用構築】ごつごつっとラティハッサム 第2節 【最高最終2108】 - がるがぶびより、です!
☆個体解説(以下常体)
ふゆう @ラムのみ
155-x-101-182-130-178(理想値)
ヤドラン、フシギバナ、サンダーなど、メガハッサムでは辛いところを起点にしていく瞑想ラティオス。選出率はそこまで高くないが、主に受け回してくる系の構築や、ラティ受けを数値だけに頼っているような構築にはよく刺さる。バンギを削った後の受けループへの通りはピカイチなので、受けループに対して積極的に選出した。
技構成はこれで確定。メインウェポンの流星群、ラッキーや瞑想の積み合い時に力を発揮するサイコショック、詰ませ性能を格段に上げる身代わり、積み技の瞑想。努力値構成はもっといいパターンがあったかもしれないが、いいものが思いつかなかったのでCSぶっぱ。特に困ることはなかった。
ゲッコウガ、ギルガルド、クチート、ガルーラなど苦手なポケモンがいると選出を縛られがちで最も選出率が低い枠だが、このラティオスはハッサムでは突破を計算できないポケモン(=この構築において最も負け筋が生まれやすく太い相手)を起点にするポケモンなので、構築トータルで見て苦しい相手にも何とか勝ちを拾いに行ってもらうような役回りとなったこともあり、何度も窮地を救ってくれた。良い印象を大いに持っているのでこの枠の替えはいない。
ふゆう @ゴツゴツメット
183-x-114-131-151-178(理想値)
りゅうせいぐん サイコキネシス リフレクター いやしのねがい
前期、前々期と使用してきたラティオスのラティアスバージョン。
このパーティの最も基本の選出はカバアスハッサムであり、このパーティの中核を担っている。主な役割はハッサムが辛い、「ハッサムより速い炎タイプ」や「ステロ+1舞バレットを耐えて炎技を撃ってくるポケモン」(などなど)からの引き先や癒しの願いによるハッサムの再利用。立ち回り方については後述の「☆基本選出と立ち回り」の項を参照のこと。
ラティオスとの違いは実数値と癒しの願い。ラティオスより耐久があり、対バシャーモ等に関しては安定感があるが、その分火力が大きくラティオスに劣るので、サイコキネシスではなく流星群を撃たざるを得ない場面が多発した。
癒しの願いと置き土産の違いだが、ハッサム1エースが基本選出となる以上、熱湯等で火傷を引いてしまうとラティオスだとその時点でお通夜だが、ラティアスで癒しの願いを手に入れたことにより、展開作りをもう一度やり直すことができる。また、電磁波をもらい運負けがチラつく時でも、癒しの願いで麻痺を取り除いて安定して詰めることができる。ただ、ガルドを誘って置き土産でハッサムの起点を作るなどといった動きはできなくなった。
実数値と技の違いに関しては完全に一長一短。ラティオスなら勝ってた試合、ラティアスだから勝てた試合も当然両方あるが、カバルドンで積極的に地震を撃つようにするなど、元々の耐久値はあるので相手をできるだけ削ることを意識した立ち回りが肝要。
調整に関してはこちらももっといいものがあるかもしれない。Hを185にするなど試していない調整も多くあるが、この調整にしなかったから負けたということは(おそらく)ない。
テクニシャン @ハッサムナイト
146-222-160-x-120-127
前期に使ったハッサム。準速馬鹿力でポリゴン2、ナットレイ、ブラッキー、ジバコイル、ABガルーラ、ヒードランなどを吹き飛ばす。ポリ2ナットブラジバコに関してはSが負けていることがないので、後出し際に剣舞を積めば安定して突破することができる。ガルやドランとのところだけS勝負になるが、シーズン終盤でドランに上を取られて負けたという試合は一度しかない。しかし、それでもできるだけS勝負は避けたいので、序盤はカバルドンで地震を撃ちに行くということを意識したい。また、ガルーラに関しても序盤でASかABかを判断すれば、バレットか馬鹿力どちらを撃てばよいのかが明晰になるのでそこまで苦労はしない。ASなら上から急所や炎技の危険性があるのでバレット、ABであればほぼ抜いているので馬鹿力を撃っていく。
さらに、このメンツは本来であれば、全員が対ハッサム用に選出されがちな駒(物理受け、イカサマ持ち、炎技持ち)であるが、そこを誘って倒せるのもこの準速馬鹿力ハッサムの真骨頂。
Q.これだとウルガモスでパーティ半壊しませんか?
A.CSウルガはステロ+メガハッサムの1舞バレットで確定で落ちます!!(数多の蛾を打ち落としてきた顔)
これも「誘って倒す」の1つの形。
すなおこし @オボンのみ
215-132-145-x-129-67
じしん ステルスロック あくび ふきとばし
前々期から愛用している起点作りのカバルドン。実数値はテンプレで、使い方は特に他のHDカバルドンと変わる所はない。突然のラム持ちや挑発持ちに注意が必要。地震はパーティ単位で重いクチート、バシャーモ、ルカリオ、最速ヒードランへの打点。ステロあくび吹き飛ばしオボンと見せると、お相手が勝手にラス枠を岩石封じだと読んできて、居座ってきたところを地震で狩るといった動きも多々あった。
また、ガルガブはステロ+メガハムの1舞バレパンでも落ちないため、予め地震で圏内に入れておくといった立ち回りもあった。
いたずらごころ@カムラのみ
156-x-90-176-100-179(理想値)
10まんボルト めざめるパワー(こおり) みがわり わるだくみ
臆病カムラボルト。主にスイクン入り、マンダ入り、ファイアロー入り、いわゆる害悪戦術系統に出していく。
スイクン入りのガルーラスタンや対面構築には強さを発揮し、ガルーラの猫騙しにさえ気を付ければ3タテもあり得る。仮に猫騙しを持っていたとしても、猫騙しと炎技を両立しているガルーラは(運が良かったのか)あまり見かけなかったので、後続のハッサムで無理やり舞いにいった。
当初この枠はリザXだったのだが、ハッサムとの同時選出ができること、攻撃範囲のシナジーを考えてボルト採用となった。ボルトにしたことにより、マンムーを呼ぶようになり、ハッサムの通りがよくなったことや、初手にゲッコウガを誘い後述のスカーフガッサで確実に奇襲が決まるようになった。
これは完全に偶然なのだが、前期は控え目カムラボルトを借りたので、陽気ガルーラにカムラなしでは上を取れなかったが、今回はたまたま臆病ボルトを借りたので、陽気ガルーラにカムラなしで先制できた。これにより、選出や立ち回りに幅広さが生まれ、選出が積極的にできるようになった。
テクニシャン @こだわりスカーフ
135-182-101-x-80-134
タネマシンガン ばかぢから がんせきふうじ マッハパンチ
前期から使用しているオーソドックスなスカーフキノガッサを採用。構築全体がかなりゲッコウガに薄く、初手ゲッコウガの確率が高いのでゲッコウガ入りには初手に投げていく。
これは完全に持論だが、積みサイクルには「初手カバルドンに強いポケモンに強い枠」というのが必ず求められる。初手カバルドンに強いポケモンは挙げればキリがないが(などなど)、その中でもゲッコウガというのは特別範囲が広く、初手カバゲッコ対面を作られただけで3タテもあり得ることから、初手ゲッコウガに対するケアは必要になってくる。
しかし、この構築は見た目上ガルーラに弱く、ゲッコウガ入りでもガルーラが初手で出てくることが間々あった。ガルーラとゲッコウガが同居している構築においては、体感だが初手ゲッコウガ7割ガルーラ3割くらいの確率での初手出しとなっており、ガルーラに出し負けしてもいけないという制約が課せられた。
という過程を踏まえての採用となったのがS16の話であり、自身の経験を活かして今期もこの枠にスカーフガッサを採用した。
☆基本選出と立ち回り
①vsガルクレセ
・水枠なし、マリルリ入り→カバアスハム
・スイクン入り→カバボルトハム
・ゲッコウガ入り→ガッサカバハム
初手に何が来ても基本的にはステロから入る。欠伸を撃つのはガルーラが猫を撃ってきた場合、ガッサと対面した場合(タネガンを撃ってくれる人もいるので)のみ。
アス出しの時は、カバを適当に切ってハッサムを出して剣舞した時に、ガブが後出ししてきた場合は燃やされるといけないのでアスに引く。地震か炎牙を撃たれているので、ガブは引く。そこにサイキネなりリフなりで試合を有利に運び、ゴツメ砂ステロで最終的に全員ハッサム圏内まで押し込む。ハッサムが疲弊してきたら癒しの願いを使う。
ボルト出しの時は基本的な積みサイクルと何ら変わらない。適当にカバをステロ欠伸吹き飛ばしで切ってボルトハッサムで蹂躙する。ボルトが拘りガブの地震を起点にできればボルトだけで3タテすることも間々あった。
②vs対面構築
・スイクン入り→カバボルトハム
・マリルリ入り→カバアスハム
・ゲッコウガ入り→ガッサカバハム
基本的にはカバルドンからステロ欠伸を展開する。スイクン入りに対してはオーソドックスな積みサイクルと特に立ち回りで変わることはない。
アスを出す時は①のガルクレセと似たような動き。
ガッサを出す時は初手ガッサゲッコ対面を征してから、カバ後出しでステロなりあくびなりを撃っていく。この時、ボルトガブ霊炎といずれもHDカバが後出しからステロなりあくびなりを撃てる余裕のあるポケモンなので、カバを安全に後出しできる。ガルーラが来た場合は後ろにスカガッサが残っているのでどちらにせよ有利。
③vsマンダ入り
・ボルトが通りそう→カバボルトハム
・ボルトが通らなさそう→カバアスハム
ボルトを出す時は、マンダより周りのボルト対策の囲いを重く見て、それらをステロなり地震なりで削っていく。最悪マンダにステロを複数回入れ、ボルトを倒しに来るマンムーなどをハッサムで起点にする。
ボルトを出さない時は、ハッサムでマンダを突破する想定で立ち回るので、マンダを削ることを意識する。最悪アスが1回は後出しできるので、竜舞をされないことを祈りながら後出しする。流石に舞うのは悠長と考えられてたのか、だいたいは恩返しか捨て身か炎技を撃ってきたので助かった。
この構築は特殊(両刀)最速マンダが刺さっているように見えるので、初手カバマンダ対面がよくできた。その際は、ほぼハイボを撃たれ、臆病ハイボ→流星も乱数で耐えるので、しっかりカバがステロ欠伸を撒いていくことができ、マンダ入りに対して展開づくりを苦労することはなかった。気を使うべきはやはり、ボルトを通す時の囲いと、アス選出をした時に初手にマンダが来ず、ハッサムが剣舞をしたところに後出しされるパターンである。
④vsクチート入り
・ボルトが通りそう、アロースイクンがいる→カバボルトハム
・ガルクチクレセのような並び→カバアスハム
通常のクチート入りにはボルトを通していかないとかなり苦しい。初見でカムラボルトはまず読まれないので、一度悪巧みを積んでしまえば、不意打ちを身代わりで空かして3タテを狙える。ガブやブルンゲル等を起点にしていきたい。
ガルクチクレセといった前期の1位のような構築に関しては、もしもガルクレセ選出が来た時に刺さるのはカバアスハム選出なので、クチートとガルーラの炎技に気を付けながら立ち回る。クチートが炎技を持っているとハッサムは確実に撃ち負けるので、序盤から威嚇が入ろうが積極的に地震で削っていく。欠伸で寝てくれればもうけもの。また、ガルクチクレセと並んでスイクンが同居している構築とは(自分の記憶上)マッチングしておらず、ボルト選出を強要されなかったのも追い風だった。
⑤vsルカリオ入り
・ヒトムがいる→カバガッサハム
・ボルトを通しやすそう→カバボルトハム
ヒトムがいる=ボルトが通しにくい=ステロ+ハッサムが通しやすい(ルカリオ入りのヒトムはほぼ遅いため)ので、ヒトムがいるかいないかで選出を決める。
ルカリオに関しては、物理特殊両方カバが対面から処理できるので、カバで倒すのが理想形。特殊であれば、一度積まれてもガッサで真空波の上からマッパで叩ける。物理であれば、HPフルのハッサムがインファを耐えて馬鹿力で処理していた。
……というのは理想の話で実際は勝率がかなり悪い。今期はルカリオ入りが大繁殖していた印象があり、これが自分自身1900帯で彷徨うことが多かった原因となっていた。
⑥vs受けループ
・カバオスハム
受けループ側の選出は、ラティを受けるバンギかラッキー、ハッサムを受けるヤドランかムドー、ガッサを受けるグライか草枠のパターンになる。バンギが出てくればバンギを削って、ラティオス圏内に入れる。バンギが出てこなければバナかヤドランを起点にして勝ち。
もしくは、エアームドをハッサムで突破することを試みることもあった。ヤドランであれば鉄壁を積まれればハッサムでの突破はほぼ無理だが、エアームドであればステロ+剣舞(ランク+2)叩き→鉄壁後(ランク±0)に馬鹿力で乱数で落とせるため、バンギを削るのが難しければ途中からエアームドを削るプレイングにシフトすることも間々あった。
なお、サナのハイボ2耐えのムドーにすら乱数耐えされて終盤はやらなかった模様。
⑦vs害悪戦術
・ボルトゴーリなど→カバボルトハム
・レパガッサメタモン→オスガッサハム
ボルトが相手のボルトやクレッフィの威張るを空かして起点にできる型であり、カバルドンのあくびループと組み合せれば、かなり積みやすい。さらに、ピクシーゴーリとハッサムが有利を取れるので、よっぽど運が悪くない限りこの手の構築には勝てる。また、この手の戦術のガルーラは耐久振り+秘密岩雪崩身代わり不意打ちグンチ……のような技にスペースを取られ、炎技が入らないケースが多く、他のガルーラと比べてハッサムで勝ちやすいのもアドバンテージだった。
レパガッサとは2回ほどしかマッチングしなかったが、1回胞子を空かせて身代わりもあるラティオスと胞子の効かないガッサを大切に扱う。
☆この構築の総括
ガルーラスタンや対面構築には無類の強さを発揮し、基本的にはパーティ単位で有利を取れていたが、18~19帯に大繁殖したリザードン軸やルカリオ軸には滅法弱かった。ただ、2000より上のいわゆる「よく見る構築」には刺さっていたからこそ、この結果が出たのだろう。18~19をいかに抜けるかがこの軸の鍵だった。
また、害悪戦術にかなり強かったのがよかった。†害悪戦術はカモ†
☆今期の動画のリンク(追記)
ニコニコに飛びます。9月25日現在全5パート全て投稿されております。
6世代お疲れ様でした。構築記事(と宣伝)は以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。以下は単なる後書きですので、興味のある方だけご覧ください。
☆6世代の総括
ぼく自身5世代から実況動画を投稿しており、XYの時はNo Brand Cupという実況者大会にも参加させていただきました。そこでラティラティ構築に出会い、また強者の方とも同じ界隈に属することができました。今思い返すとあそこがぼくのポケモン人生のターニングポイントでした。改めてポケモン実況をやっていてよかったなぁと思う瞬間でした。
XY最高2008(S2)「ユレイドル入りカバドリ」
ORAS最高2213(S17)「故人に捧ぐラティラティ構築」
Twitter kifuyu_poke
ここまで読んでいただきありがとうございました。7世代でお会いしましょう。
ラティラティ、最高!!